パイナップルジュース

ミッドタームが終わった日、その足でThe North Faceに行ってコドモ1人くらいなら入りそうなリュックを買いました。そう、あたしはハングリーな薄汚いバックパッカーに密かに憧れてるのでした。そしてみなさんには「ドラッグ珍道中inアムステルダム」とか書ければいいんですけど、あたしが行ったのはリハビリも兼ねて、南の島です。しかも・・それはハワイ。なんともあたしらしくてあたしらしくないデスティネーションな訳ですが、バックパッカーの行くとこじゃないわな。

大槻ケンヂが彼のエッセイでこんな事を書いていました。
ボクにとってリゾート旅行とは「ジャンボ鶴田」なのである。
その圧倒的な強さは認めない訳にいかないものの、ヌボーッとした緊迫感のまるでないルックスの為に、あまり応援しようという気になれない。まして「好きだ」などとは口にするのも恥ずかしい。

いつもかまってあげられないから年に1度、ワイフとね、とパイプを燻らすオヤジも自分を芸能人と勘違いしてるギャル軍も、「アハハ〜ウフフ〜」とか言って海辺で水をかけあう何が楽しいのかよくわからんカップルも(以前もっとスゴイ「彼女のイメージビデオを撮るカップル」っつーのもいた)、『敵』でなくてはいけない気がします。少なくとも、そのスタンスを期待されてるのがわかります。けれど、あたしだって年がら年中「デストロ〜イ」とか言って唾を吐いてる訳じゃないんです。

ハワイを歩く。お台場がデートスポットになったばかりの頃と同じ感覚に襲われました。それは、「ひとり」の人がいないって言う違和感。でも結構心地良い違和感。夏の風物詩の「ダルずれ」が早速できました。痛い。スターバックスが異様に高い。こうも暑いと誰もコーヒーなんか飲まないのかな。ハワイをアメリカだと思って来た人たちはガッカリかもしれないけどあたしは日本に帰ったみたいでちょっと嬉しかったです。「お〜いお茶」とかあるしね。あたしは日本人向けにムリヤリ書かれた日本語(写 植ミス?)が好きです。この日見つけたのは「スェーデソ式マッサーヅ」。1人でウケました。日本人ツーリストを見る。コドモがすごく幼かったり梅宮一家みたいのはいいんですが、コドモが高1くらいの男の子だと、偉いなあと単純に思います。その子も決して楽しそうじゃなくて、お父さんのやたら生っちろいスネとかお母さんの麦わら帽子なんかを仏頂面 で見てるんだけど、いるってだけで何て親孝行なんだ!って思います。あたしが高1の時にハワイに行こうなんて親に言われたら「ぜってーヤダ」って言ったもん。

海を見た。数年前の海にまつわる恐怖体験を思い出しました。あたしは割りと自分でも乙女チックな奴だと思っていました。宮川匡代(*1)とか好きだし。でも占いとかおまじないとか、そーゆう類いのものには全く興味ないんです。嫌いとか信じないとかじゃなくて、単純に心惹かれないんです。友だちが動物占いしてくれた時も実は歳をサバ読んでたので本当の動物知らないし。
19歳くらいの時。当時のバイト先(前述の東京ドーム)で、バイト仲間の女の子が「昨日スッゴクいい詩を読んで泣いちゃった」と言うので岩手県出身の彼女だけに「あめゆじゅとてきてけんじゃ」とか言い出すかと思ったらこんなポエム(節自体は忘れちゃったけど、内容はこんなの)をソラで詠みました。
  砂浜に書いたあなたの名前
  波が消しちゃうんじゃなくて
  本当は海が記憶してる-------
とかなんとか言うモンで、「エエ話やなあ」って聞くだけかと思ったら何を血迷ったのかその子が「みんなで砂浜に好きな人の名前を書きに行こう!」と盛り上がり始めちゃいました。あたしゃそんな事を本気でやってる自分を想像したら恐ろしくなって「カンベンしてくれよ〜」と思いながら「あたしは・・・いいや」とやんわり断ったら「ユキの彼への想いはそんなものなの?!」とか言われてビックリしました。そーゆう問題か?
そのポエムだって「海が記憶する」ってあっただけで願いがかなうとか想いが伝わるとか一言も言ってないのにい〜!なんて思ってる間に「海に片思いの彼の名前を記憶させるツアー」の段取りがちゃくちゃくと進んで耳の後ろあたりをボリボリ掻いてたんです。
海にとっても「佐藤さん」とか「タカヒロくん」とか要らぬ名前をインプットさせられて迷惑な話です。結局その乙女ティッカーズが片思いの彼の名前を砂浜に書きにわざわざ行ったかどうかは知らないけど、あたしと彼女達の間に大きな溝を発見してしまったのです。乙女ちっくへの道は険しい。彼女達はどうしてるかな・・。

ハワイと言えば、ショッピング。らしい。一応お約束のアラモアナ・ショッピングセンターとワイキキに行きました。ブランド袋を沢山下げたギャル達をしり目にあたしがアラモアナで購入したのは忘れてしまったコンタストのケースとウォータープルーフのマスカラ(命)だけ。ひとりで歩くと友だちと歩いた時にはウザい程渡された「本場アメリカのステーキの店!」とか「激安プラダ!」とか「実弾射撃」とかのチラシを誰もくれないのね。欲しそうにしたって。しまいにゃ淋しいので声をかけてきた人に「ニホンゴ、スコシ」とか言って意地悪してみたりしました。
しかし、日本の女の子は本当にお金持ってるよな〜って思いました。ギャルどもがヴィトンの店に溢れ返ってるのに対して、60代くらいのおばちゃん2人がディスプレイのヴェルニを見て「はー!820万!」って、どーゆう計算じゃ。

最後の日、空港に着いたら飛行機の出発時間が4時間も遅れていて、日陰を見つけてリュックを枕に昼寝をして、ようやくバックパッカーにちょっと近付けたような。甘いって。

(*1)少女マンガのリーダー的存在。読んでる方が赤面 してしまう恐ろしい台詞の連発。

(2000.03.23)

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