旅行者を見て思ったこと

サンフランシスコは観光客が多いので、観光シーズンとオフシーズンとでは街の賑わい方が違います。この時期になると、卒業旅行風の日本人学生を沢山見かけて、ついつい観察してしまうのですが、楽しそうな4人組の女子を見るとなんだかとっても切なくなってしまいます。今から3年前のこの季節にあたしもあの子たちの様に楽しい卒業旅行をしました。

あたしは飛行機の長旅がどうにもこうにも苦手なので、20時間で2回乗り継ぎフロリダに着いた時は嬉しくて泣き、楽しい5日間が終わって帰る時には「帰りたくないよう」と言っては泣き、帰って来てから200枚の写 真の整理に途方に暮れて泣き、卒業式には涙一滴出ないと言うそんな(どんな?)旅でした。旅の友がそんなに泣いては連れも困るだろうと言うもんですが、あたしの友は「ハハハー、また泣いてる、こっちむいてー」とかなんとか言って写 真を撮ったりするような方々なので、ますます泣けてくるのでした。中島らもが自殺した友人に対して「どんなにボロボロの人生でも生きててよかったと思う夜が一晩でもあるはずだ、それを思えばなんとか生きていける。だからあいつも死ななきゃよかったのに」と書いていましたが、あたしの「生きててよかったと思う夜」がまさにフロリダに着いた夜と言っても過言ではないってくらいに。

そして、サンフランシスコを楽しそうに旅する4人組を捕まえては「今は楽しかろう。でも1、2年でも経ってみい。一人は結婚に走り、一人は不倫に走り、一人は仕事に走り、一人は留学するとかホザキ出すかもしれないよ。そしたらあんま会ったりしなくなって、友情を暖められるのも今のうちだよオ〜」と語りたくなるってゆうか。生憎、あたしたちはなんとも偶然にやる気ないキャラが揃いも揃ってって感じなんで、こう↑言う心配はないんですが、結婚でもしてガキでもできりゃあもっと会わなくなって、話も合わなくなるんだろうなあ・・・といううっすらとした不安がいつも心にあるのです。まああたしがこうして海外に住んだりしてるのが一番悪いんだけど、今はあたしが帰国する度にきっちり皆集まってくれてそれが至福のひとときなのです。

学生の他に多いのが、なんといってもオジサン。出張なのかもしれないけど、自分の時間が割と自由に持てるようになった中年〜初老の日本人観光オヤジをよく見かけます。先日、macy'sというデパート(と言っても割りと格下/丸井レベル)の前で友人を待っていた時の事。「○○ツアー」とか書いてあるバッヂをつけたおっさん2人。とても仕事ができて海外慣れしてる様には見えない。地図を片手に「オッ、ここか、メーシーズっちゅうのは!」とか言って、でもなかなか中に入れずにもじもじ煙草とか吸ってる(なんで?)。暫くして一人が「オレがちょっくら見てくらあ」とかなんとか言って探検に。オイオイ、二人で行けばいいじゃん、捕って食われる訳でもあるまいし・・と思ってると探検家オヤジが足早に戻って来て見張りオヤジに手招きしながら「バッグ売り場があったぞ!」ってまるで徳川埋蔵金を見つけたかの様な声でついに二人でいざ出陣!「君たちの探してるバッグはこのデパートじゃないよ」と声をかける程あたしは優しくないのけど、とりあえず優しい微笑みで少年のようなオヤジ二人を見送りました。まあ、そのデパートじゃないにしてもきっと彼等は少年の頃の宝探し気分で母娘の為のヴィトンやプラダを見つけて、家では「お父さんいないと気楽でいいわねー」なんて言われてるとも知らずに喜ぶことでしょう。買った挙げ句に「この形じゃなーい」とか言われたりして。

まあそんな彼等を見て、あたしもナイスミディになったらまた卒業旅行の4人でギャルに戻って また旅がしたいなあと思うのでした。でも、オバハンの写真200枚って言うのはちょっと恐ろしいかも。

(00/02/21)

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